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目嚢 めぶくろ  加門七海 [本 作者か行]


目嚢-めぶくろ- (光文社文庫)

目嚢-めぶくろ- (光文社文庫)

  • 作者: 七海, 加門
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2016/10/12
  • メディア: 文庫



古い蔵から出てきたのだという『目嚢』という古い書付を従妹から見せられる。怪談作家である鹿角南は興味を持ち、それを調べていく。調べていくうちに従妹の嫁ぎ先である菊池の家の暗い部分に行き当たり、巻き込まれていく。続く怪異はいったい何を原因として、何を目的としているのか。

あわわ、なかなか怖い。巻き込まれていく感覚がないのに巻き込まれている。これって、普通のアクシデントでもそうだけど、抜け出すのがけっこう大変。けど、現実のアクシデントは原因がわかるとなんとか対処ができるけれど、怪異に巻き込まれていくのは、何かわからないから対処の仕様がない。対処しようとして原因を探れば深みにはまる。泥沼。怖くて、終わらせたくて一気によんでしまった一冊。

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ドラゴンの塔 上下   ナオミ・ノヴィク [本 作者な行]


ドラゴンの塔 上巻 魔女の娘

ドラゴンの塔 上巻 魔女の娘

  • 出版社/メーカー: 静山社
  • 発売日: 2016/12/07
  • メディア: 単行本



ドラゴンの塔 下巻 森の秘密

ドラゴンの塔 下巻 森の秘密

  • 出版社/メーカー: 静山社
  • 発売日: 2016/12/07
  • メディア: 単行本



10年に一度、このあたりの村から17歳の娘一人が選ばれて、谷はずれの塔に連れていかれる。そこには100年以上を生きるドラゴンという魔法使いがいて、その彼と一緒に暮らさなければならない。10年後帰ってくる娘たちは一様に変わってしまうという。その娘が選ばれる今年、アグニーシュカはその候補になっている。けれど、候補に挙がった娘たちのなかには、見目麗しく、昔から連れていかれるならこの子だとされる娘がいた。けれどふたを開ければアグニーシュカが選ばれた。なぜ?なぜ私が?混乱するアグニーシュカ。ドラゴンは何も語らず、塔へ行ったアグニーシュカは毎日混乱する。
けれど、選ばれるからには理由がある。その理由を知ったとき、アグニーシュカの生き方が変わる。

面白かった。はじめはなんだかよくわからなくて、けれど主人公のアグニーシュカと同じように、理解を始めると世界が変わる。物語なんだけれど、現実とどこかリンクしているような既視感がある。でも全然この世界の話じゃないんだけれど。不思議な感じがする。面白くて、一気に読んでしまった。
魔法と、剣と、呪いと。王道のファンタジーで、そしてやっぱりちょっと恋愛も。
ちゃんとてんこもりで面白い。
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福の神と貧乏神  小松和彦 [本 作者か行]


福の神と貧乏神 (ちくまプリマーブックス)

福の神と貧乏神 (ちくまプリマーブックス)

  • 作者: 小松 和彦
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1998/06/01
  • メディア: 単行本


せっかく新しい年を迎えるのだからと手に取ってみたのが本書。今年は福の神に好かれて、貧乏神に嫌われる年にしたいと思って、どんな本なのかと読んでみた。
けれど、幸せって何なのだろうか?幸せというのはその時代や場所によってかわってくるもので、確固としたものではないのかもしれない。じゃあ、そんな福をどう扱う神たちなのだろう?
七福神はどうやって集まってきたのか、長者とよばれる人たちはどういった人なのか。そしてその福の仕組みはどうなのか。
富はどこからくるのものなのか。空中から湧いて出てくるものでもないわけだから。
尽きない『福』への謎。

実際読んでみて、なんかちょっと方向性が違うって思ったのも事実。けれど、『福』ってなんなのだろうか?『福を得る人』とは?なんていうちょっとした疑問が出てくる。それを広く知ることができるのが本書。
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葛と日本人  有岡利幸 [本 作者あ行]


葛と日本人

葛と日本人

  • 作者: 有岡利幸
  • 出版社/メーカー: 八坂書房
  • 発売日: 2022/08/25
  • メディア: 単行本


皆さんも目にしたことがあると思う。葛。くず粉、葛餅、文学での葛。けれど、もしかしたら葛なんて植物はみたことがない。なんていう人がいるかもしれない。けれど、それは間違いできっと一度は目にしたことがあるはず。
蔓でちょっとしたところにも蔓延って、甘い香りのする紫の花を咲かせる植物。こんなに身近にあるのに、意識されることが少ない。川原や空き地で繁茂しているこの植物から、布ができたり、くず粉がとれたりするなんて考えもしないんだろうなと思う。
『うらみくずのは』というフレーズはしっていたけれど、これの本当の意味も知らなかった。知らないことばっかりだなと思う。
身近な草で、実は有益に使われている。けれど、普段は目にしていても、気が付かないってこと、おおんだと思う。
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超耐性菌  マット・マッカーシー [本 作者ま行]


超耐性菌 現代医療が生んだ「死の変異」

超耐性菌 現代医療が生んだ「死の変異」

  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2021/06/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



超耐性菌。なんともまあ物騒な名前だと思う。けれどそれは大げさな名前などではない。
医療技術は進歩した。そして薬も。ペニシリンをはじめ、抗生物質というものは私が子供の頃からすでにあったものだから、抗菌薬のない時代なんて思いもつかない。抗菌薬さえ打てば、かなり簡単にいろいろと治ってくる。調子がわるくなったら病院へ行って、注射を打ってもらえば治るっていうのがイメージだ。様々な感染症に効く。けれど、多用し必要もないのに使い続けたりすると、その薬にたいして耐性のついた菌が出てくる。それらがこの本にある超耐性菌。多剤耐性菌である。
その多剤耐性菌にも打ち勝つ成分をどこから見つけてくるのか。そしてそれが使えるようになるにはどういう手順を踏むのか。
アメリカの病院で筆者は医師として働いている。そこに運び込まれてくる患者に対して、どうやって治療をするのか。新しい薬はどうなるのか。新しい抗菌剤ダルバの実用化を目指して治験を始めようとするのだが…。

ノンフィクションです。最近ちょっと病院を行き来することが多く、そこでいろいろ考えさせられることがありました。で気になってしまって。たしかにいままでは治ったのに、薬が効きにくくなってということはあります。けれど、普段は病院へも行かないし、そんな怪我や病気ばっかりするわけでもないから、気にならないけれど。そういう人ばかりを扱う現場だとしたらどうだろう。効かない薬があるというのはすごく怖いことだと思う。この薬剤耐性菌と戦っている研究者や医者の話。入門編みたいな感じ。

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反ワクチン運動の真実 死に至る選択   ポール・オフィット [本 作者は行]




反ワクチン運動はいかにしてはじまったのか。
ワクチンを避ける人がいる。それはその人の判断なんだともおもうのだが。それがどうしてこんなに大きな運動となるのか?
それは幼い子供を持つ親がいるから。そしてその親たちは常に不安にさらされているから。
子供というものは、常に不安定だと思う。機嫌がよかったのにすぐ悪くなる。この間まで普通だったのが突然おかしな症状が出る。それらに対してなにか原因をと探すときに、ワクチンという選択肢があった。ワクチンにたいしての無知。恐怖。それらが反ワクチン運動を産んだのだと思う。
調べればわかる。知らないで踊らされて、一番の被害を被るのは子供なんだなと。
ワクチンが普及して、病気が減る。病気が減るから、ワクチンは必要ないといわれ、接種をやめる。
するとまた病気が広がる。これを何度も繰り返している。
必要なのは、何が真実で、何が嘘なのかを常に探すということ。
と、いっても私たちはネットや本でさがすけれど、それらの全てが真実であるとは限らない。
書く人間の意識もはいるわけだから、それがすべて正しいわけでもない。
ただ、情報をしっかり受け止め、取捨選択をするという行為は、今も昔も、何においても変わらない大事なことなんだろうと思う。
非常に興味深いほんでした。

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呪い釘   宇江敏勝 [本 作者あ行]





明治や大正の熊野地方。民俗伝奇小説。短編集。
とても好きな作品です。穏やかで、目新しく怖いこともない。だた、人の念はあるけれど。
近づいてくる近代化、けれど、まだまだゆっくりとした時代。その静かな生活の中にも喜怒哀楽がある。ただ淡々と暮らしていく。
なんていうんだろう。懐かしい。ありありと思い浮かべることができる。けれど、今はもうないであろうということがわかる。
説明が難しい。
近代化は良いことだと思う。けれど、まだその波に揉まれず、穏やかな心持ができた時代があったいうことを忘れたくないと思う。
違う物語もよんでみようと思う。

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キッチンコロシアム   田中経一 [本 作者た行]




料理の異種格闘技『竈の鉄人』は人気のテレビ番組だ。そこに出てくる日本料理の鉄人、道場六三郎は無敗を誇っていた。その無敗に挑む料理人が河田千春。フランスのレストランで修業をした有望な女性シェフ。そして道場六三郎に挑みオマール海老で勝負をする。結果は?
だがその結果にかかわらず、千春にはテレビにでるある目的があり・・・。
そしてその目的は道場にも関わりがあることだった。

最初のうちは読み進めるのがちょっと苦痛。でも、その山を一つ越えるとあとはものすごいスピード感がある。一気に読んじゃった。
そしてこの物語はパラレルなんだということを忘れてしまいそうになる。フィクションなんだよ。あくまでもフィクションなんだけど、物語にすごく引き込まれてしまう。
私はあまり「料理の鉄人」を見てないから引き込まれるのか?それとも見ていても引き込まれるのか?はわからにけれど。
面白かった。






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人類と感染症、共存の世紀  デイビッド・ウォルトナー=テーブズ [本 作者た行]




『私たちは一人ひとりみな互いの周辺視野なのだ』というのが印象的な本。
感染症ってあまりにも当たり前にあるのもだと思う。これらは人間だけの問題でも、動物だけ、または一部の地域だけという問題ではない。地球規模の問題なのだ。
人口の増加によって、人が今まで入り込まない場世に行き、普段食べないものを食べる。
その一部の土地で広まっていた病気は、世界に瞬く間に広まっていく。
人は動物と同じ病にかかるということを失念しているのか?症状が違っても、同じ細菌やウィルスが広まっているのに。
けれど、それらは決してゼロにできるものではない。それは普通にあるものだから。だがそれらをコントロールすることはできる。それを考えていかねければいかないのだ。






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ものがたりの賊(やから)  真藤順丈 [本 作者さ行]





呆気にとられるほどの物語。知ってる、知らない関係なく色んな物語の主人公や舞台が出てくる。
読み進めていって「ああ、この人」「ああ、あの本の」って読み方も面白い。
物語の最初は「一番最初の物語」から。そして登場人物に新しい一面を持たせて。
一気に読んでしまう。それなりのスピードを持っている。
あの人も出てくる?この人も出てくる?止めは誰が出てくるの?
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