目嚢 めぶくろ 加門七海 [本 作者か行]
古い蔵から出てきたのだという『目嚢』という古い書付を従妹から見せられる。怪談作家である鹿角南は興味を持ち、それを調べていく。調べていくうちに従妹の嫁ぎ先である菊池の家の暗い部分に行き当たり、巻き込まれていく。続く怪異はいったい何を原因として、何を目的としているのか。
あわわ、なかなか怖い。巻き込まれていく感覚がないのに巻き込まれている。これって、普通のアクシデントでもそうだけど、抜け出すのがけっこう大変。けど、現実のアクシデントは原因がわかるとなんとか対処ができるけれど、怪異に巻き込まれていくのは、何かわからないから対処の仕様がない。対処しようとして原因を探れば深みにはまる。泥沼。怖くて、終わらせたくて一気によんでしまった一冊。
福の神と貧乏神 小松和彦 [本 作者か行]
せっかく新しい年を迎えるのだからと手に取ってみたのが本書。今年は福の神に好かれて、貧乏神に嫌われる年にしたいと思って、どんな本なのかと読んでみた。
けれど、幸せって何なのだろうか?幸せというのはその時代や場所によってかわってくるもので、確固としたものではないのかもしれない。じゃあ、そんな福をどう扱う神たちなのだろう?
七福神はどうやって集まってきたのか、長者とよばれる人たちはどういった人なのか。そしてその福の仕組みはどうなのか。
富はどこからくるのものなのか。空中から湧いて出てくるものでもないわけだから。
尽きない『福』への謎。
実際読んでみて、なんかちょっと方向性が違うって思ったのも事実。けれど、『福』ってなんなのだろうか?『福を得る人』とは?なんていうちょっとした疑問が出てくる。それを広く知ることができるのが本書。
肉弾 川﨑秋子 [本 作者か行]
肉弾
なんというか、そんなに甘くない。うん。甘くないって思った。でも、こういう葛藤は悪くないし、必死になれば、或いはとは思う。
なんて感想を書くと、なんのこっちゃ?ってなると思う。
舞台は北海道。そこは楽園などではなく、追い詰められた人間や、追い出された動物の生きるための場所。生きることとは、なんて哲学的なことではなく、『生きる』為に生きていく。必死で悲しい話。
引きこもっていた主人公。それを取り巻く世界。なんというか狭い世界。そこからまばゆい光の世界に飛び出していくのよ!っていうお話とは正反対だけど、生きるということを意識して、生きていく話だと思う。
自分にそうなった理由があるように、行動を共にする犬たちにも理由があって、対峙する熊にも理由があって。全部が自分たちの理由で生きている。群れたり、離れたり。後になって真意を知ったり。もっと自分勝手でもいいんだと思う。
この本は極限でそれに思い至る。極限の数日でやっと自分を解放できたんだろうな。
面白かった。読みやすくて続きが気になって、すぐ読んでしまいました。
なんというか、そんなに甘くない。うん。甘くないって思った。でも、こういう葛藤は悪くないし、必死になれば、或いはとは思う。
なんて感想を書くと、なんのこっちゃ?ってなると思う。
舞台は北海道。そこは楽園などではなく、追い詰められた人間や、追い出された動物の生きるための場所。生きることとは、なんて哲学的なことではなく、『生きる』為に生きていく。必死で悲しい話。
引きこもっていた主人公。それを取り巻く世界。なんというか狭い世界。そこからまばゆい光の世界に飛び出していくのよ!っていうお話とは正反対だけど、生きるということを意識して、生きていく話だと思う。
自分にそうなった理由があるように、行動を共にする犬たちにも理由があって、対峙する熊にも理由があって。全部が自分たちの理由で生きている。群れたり、離れたり。後になって真意を知ったり。もっと自分勝手でもいいんだと思う。
この本は極限でそれに思い至る。極限の数日でやっと自分を解放できたんだろうな。
面白かった。読みやすくて続きが気になって、すぐ読んでしまいました。
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- 価格: 792 円
部屋も頭もスッキリする!片づけ脳 加藤俊徳 [本 作者か行]
掃除は嫌いではありません。けれど片付けるは苦手なんです。で、見つけて読んでみました。
いろいろな片づけ本を読んだりしたのですが、捨てるということに焦点をあてるわけでもなく、きちんと物をあるべきところに戻すんですよとかいうわけでもなく、片づけが苦手という事を脳から考えてみようということでした。
で、具体的には脳番地を強化するって事なのかなと理解しています。だからそこを強化するためにどうしたらいいかという事でした。片づけとは全然関係のない事も、脳を鍛えていくということで結果片づけられる脳を作ろうという事だと思います。
だからアプローチが特殊で面白い。ただの片づけ本じゃないからいいです。片づけ本を読んでいても、「でも出来ないのよ」っていうところがあったのですが、違うアプローチを教えてくれるから「やってみようかな」って素直に思えます。
もうちょっと頑張って片づけてみようかなって気になりました。
タグ:読書記録
凡人の怪談 不思議がひょんと現れて 工藤美代子 [本 作者か行]
普通に考えたら怖い気がします。でもその場ではきっと「?」っていうくらいで、後で考えたらおかしい?っていうお話が多い。怪談です。怪しい話しなんです。
婦人公論で連載されていたエッセイだそうです。怖い話しではない、けど怖いかな。
すごく不思議なことに巡り会われる方なんだとおもいます。それを受け入れてしまえる度胸もすごいな。って。面白いです。
凡人ってかかれてるけど、全然凡人じゃないよ!霊感バリバリでちょっとズレてるからまともには関わらないのかな。視界に入ってるけど見ないふり。違うな、異文化だから見てるけど理解できないって感じかな。不思議で面白いお話でした。
タグ:読書記録
ダンジョン飯8 九井諒子 [本 作者か行]
ダンジョンの深部まで進んだライナス達一行。あいもかわらず魔物を食べてます。もう魔物は食材にしか見えないのだろうか?片っ端から食べてるけれど、だんだんみんな図太くなってきたな。そしてファリンは助けられるのか?明かされつつある狂乱の魔術師の過去。ダンジョンはどうなっていくのか。
8巻まできました。この本を読むと食欲が湧いたりするのですが。私だけ(笑)?
でも、気になっちゃう。どんな味?単純なお話ではなくて、どんどん複雑でおもしろくなってきた。おとついでたところなのに、すぐ次が読みたくなっちゃいます。
面白いよ!
京都西陣シェアハウス〜憎まれ天使・有村志穂〜 鏑木蓮 [本 作者か行]
京都の西陣にある元機場のシェアハウス。そこには4世帯が入居しているけれど、それぞれ問題を抱えている。主人公は就職が決まらず何社も落ちている。訳ありでどうしても就職したいけれど内定がもらえない。そんな女子大生が憎まれ口を叩きながら、同じ屋根の下で暮らす人たちの秘密を探っていく。
探られた人はたまらない。どうにかして追求を逃れようとするのだけれど・・・。追求は激しくなってその人たちの生活を脅かしていく。
うん、普通にしてたら脅かされていると思う。その先がどうなるかは読めばわかるということで(笑)。お話は面白い。どんどん読める。でも、この主人公がね〜。どっちかというと主人公に踏み込まれた側の思考回路なんで、イライラしちゃう。イライラしちゃうけど、読み進めてしまう。不思議な魅力です。私ならあんまり関わらないだろうな。人のことにあまり首を突っ込まないようにしてしまう。本で読むのはいいけれど。軽くてちょっと読むのはオススメです。
タグ:読書記録
あなたの人生、片づけます 垣谷美雨 [本 作者か行]
片付けられないというキーワードに過剰に反応してしまう。片付けなければいけないとわかっていても、体が動かない。でも人生ごと片付けてくれるなら。たのむかもしれない。
けれどあくまでも片付けるのは自分。やり方を教えてもらったり、きっかけをくれるだけ。そのきっかけも他人の目だからこそいいのかもしれない。
作品の中の人達は、不倫をしたり、家族に先立たれたり。何となく片付けるということにエネルギーが向かないんだろうね。他に気をもっていかれてる。そこを軌道修正してもらったら、だんだん自分で前を向けるようになるのかな。
面白い本でした。自分も片付けるのがちょっと苦手なんだけど、ここまでにはまだなってないかな。なんて思ったり。
けれどあくまでも片付けるのは自分。やり方を教えてもらったり、きっかけをくれるだけ。そのきっかけも他人の目だからこそいいのかもしれない。
作品の中の人達は、不倫をしたり、家族に先立たれたり。何となく片付けるということにエネルギーが向かないんだろうね。他に気をもっていかれてる。そこを軌道修正してもらったら、だんだん自分で前を向けるようになるのかな。
面白い本でした。自分も片付けるのがちょっと苦手なんだけど、ここまでにはまだなってないかな。なんて思ったり。
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マタギ奇談 工藤隆雄 [本 作者か行]
マタギの人が語ってくれた話。マタギと言われても何をしている人かわからなかった。今は猟師の事だとわかるけれど、私の周囲にはそう言う文化は無かった。だからマタギの語る物語はとても神秘的に思う。
自分たちの山は木をきりだす山であり、信仰の山であり、猟の禁じられた山だったから。
同じ日本の同じ世代のはずなのに、マタギの話は理のちがう場所の様に思う。本当はそうでは無くて、その自然を誰よりも大事にしているということなのだが。
ただ不思議だと思う話が沢山ある。
けれど、このマタギという人たちも姿を消して行くんだろうな。人の頭が科学や合理で埋められていけば行き場を失うような。そうじゃないと思っていてもきっと伝えていくことが難しいな。
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脳に振り回されない生活 小池龍之介 [本 作者か行]
「私」が思うこと。それは何?好き、嫌い。怒り、悲しみ。それらは全てが脳によってつくられたもの。そんな脳に振り回されて、心が疲れてしまう。
それを回避するためにはどうすればいい?どこかにある「私」を制御するといいのか?
仏教からみた回避のしかた。それはずっと昔から変わっていない。そしてそれを実践するにはどうしたらいいのか?
よくわかりませんでした。いや、わかるんです。でも、どうやっていけば良いのか?
ちゃんと瞑想を習ってみないとわからない気がする。理屈はわかるけど、実践という意味で。ただ、「私」がいなくなれば私はどうすれば良いのだろう?
何度か読んでゆっくりと理解していきたい。簡単なことが一番難しい。
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