後宮の烏 白川紺子 [本 作者さ行]
後宮の奥深くに夜伽をしない妃がいる。彼女を見たものは老婆だとも少女だとも言う。そしてその妃は烏妃と呼ばれ呪殺から探し物までするのだという。
皇帝の高峻はとある依頼をするために烏妃のもとを訪れる。それがすべての始まりだった。
一人で生きてきた烏妃、彼女の中で何かが変わる。そして烏妃と皇帝の知られざる歴史が明らかにされ、そして二人の関係が変わる。
なかなか面白かった。烏妃の姿も素敵だと思う。烏漣娘娘の姿も確かにあちらのお国の神様っぽい。単なる幽鬼だと掃わずに裏をしっかりとっていくあたりが、術にだけとらわれないでいるから、いいなと思う。
捕われた烏妃の心が悲しい。
花の壁飾り スワッグの作り方 [本 作者さ行]
花の壁飾り スワッグの作り方: 植物を重ねて束ねる、お洒落なインテリア
- 作者:
- 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
- 発売日: 2017/07/10
- メディア: 単行本
最近気になってます。スワッグ。リースを作るより手軽そうかな。まあ、これもセンスを問われるものではあろうと思うのですが。
作ってみたいです。
見てると思ってるよりもバリエーションがあるんだなと思いました。
手軽に、自分のアイデアでやってみたいです。
闇夜にさまよう女 [本 作者さ行]
彼女は頭に穴があいていることに気がついた。けれど痛みもなく体も動く。ただ、記憶がその穴からボロボロとこぼれ落ちていくことだけはわかっていた。
気がつけば病院のベッドで、無くなってしまった記憶と何物か分からない自分がいた。
夢の中から誰かの記憶が覗いてる。ジェーンという名前を貰い病院から出るが夢は彼女を苦しめる。彼女は一体何者なのか?
面白い!以前この作者の「ペギー・スー」のシリーズを読んでけっこう好きだったのですが、やっぱり面白い。
話の先が読めません。最後の最後まで分からなくて読み進めても飽きません。
ぜったいオススメです。
猫の傀儡 西條奈加 [本 作者さ行]
江戸の猫町に住むミスジは傀儡師である。ミスジは猫で傀儡が人なのだが。
先代の順松のあとをついで傀儡師になったのだが、相方がちょっと頼りない。
狂言作家の阿次郎を操り、猫の為に働かせるのだ。頼りないと思っていた相方が中々どうしてちゃんと働くではないか。
猫が主導権を握るというお話。でも、猫だけの世界、人だけの世界ではなくて人の絡んだ世界の中でうまく立ち回る。動物達の掛け合いも面白い。
傀儡となった人間もなかなか頭がいい。まあ、感が鋭くないと傀儡としても使えないんだけどね。
一つ一つのお話を読んでいくのは面白い。山場らしい山場が少ないというか、どうしても一枚紙をはさんだ所で話が進んでいるという感じがして、続けて読むのがちょっとつらいかな。
そこはかさん 沙木とも子 [本 作者さ行]
古い家の暗がりに、そこはかとなくいる何者か。京都の古い家に住む美代。子供のころからこっそりと曾祖母に「そこはかさん」の話を聞くのだが…。感じることも見ることもない。まだまだなんだと言われながらいつか知りたいと思っている。その正体を知ることはいるできるんだろう?
他2編。
ああ、なんかわかる。その暗がりにいる気配。まあ、正体はちょっと辛いけど。
話は面白いです。うまくつながっていて、怖くはない。不思議な話的。ただ、何だろう。スピードに乗れない。たんたんと進んでいく。そこがちょっと苦しかったかな。
違う作品も読んでみたいような、そうでも無いような。あと一つ面白ければいいのになと思います。
ししりばの家 [本 作者さ行]
なんのことはない家だった。友達と遊ぶために訪れた家は普通の家のはずだった。けれど黒い影が廊下を動く。そして誰も居なくなった家はお化け屋敷と言われる様になる。
肝試しのような感覚で忍び込んだこの家で出会った怪異。それはその後入った人間の人生を狂わせる。それは砂となってそろそろと入り込んで来るのだ。
面白い。4作品読んだけどこれが一番面白いかな。登場人物の一人がキーとなるのですが順番に回ってるんだな。こういう設定も面白いと思う。
怖いか怖くないかと言われるとそんなに怖くない。どっちかといえば怪異が怖いのではなくて、人の心理が怖い。この作家さんの特徴かなと思う。
怪異に寄らず怖い話につながっていったんだなあ。
けっこう次作を期待しています。
ずうのめ人形 澤村伊智 [本 作者さ行]
突然連絡の取れなくなったオカルトライター。部屋に向かってみると燃え残った原稿と目玉のない死体があった。
その原稿を読んだ人間の所に呪いがかけられる。
この呪いは一体何なのか?誰がどんな目的でかけているのか。
呪いをとくために原稿を読み調べていくと様々な事実が発覚し…。
この呪いから逃げきることはできるのか?
とりあえず気に入った作家さんのはよくよんでしまいますね。
前作のぼぎわんが来るに出ていた登場人物も出てきて、面白いです。
呪いがけっこう怖いなあ。自分だけでないという部分が。
こうやって拡散できるんだと思ってみたり。
でも、怖いかと聞かれると前作の方が怖いと思います。
話の内容はよく出来ていてなかなか真相に辿り着けなくて面白いんです。
最後まで読めない所が良かったです
ぼぎわんが、来る 澤村伊智 [本 作者さ行]
名前を呼ばれても答えてはいけない。扉を開けてはいけない。それは恐ろしいモノだから。
子供のころに遭遇した不思議な出来事。怖くてたまらなかったがそれの名前を知ったのは祖父の葬儀でのことだった。
結婚して子供もできて幸せなはずなのに、追いかけて来るものがある。それは得体が知れなくて恐ろしくて怖い。けれど紹介された霊能者に『家族に優しくしなさい』ととんちんかんなことを言われた。言われるまでもなく、俺は優しくしている。育児に参加もしている。なのに一体なんだというんだ。
そしてやってくる『あれ』。襲われる人も出はじめ俺は家族を守らなければいけないんだ。
やあ、怖かった。ぼぎわんが怖いよりも、奥さんの凄く気持ちがわかってしまうところが怖い。
澤村さんって、何者ですか?(笑)
視点を変えて書く人なんだな思いました。一つの現象を複数の目から見る。面白い書き方だと思います。
映画にもなるそうで。ちょっと見たいけど、グロくなければいいなあ。
どこの田舎にでもありそうな『~が来るよ』と幼児をこわがらせるような話からよくここまで膨らむモノだと感心します。
恐怖小説 キリカ 澤村伊智 [本 作者さ行]
ホラー大賞を受賞した僕は出版に向けて準備をはじめる。だが友人の一人が自分の価値観を押し付けようとしはじめた。妻のキリカと恐怖に怯える日が続いた。嫌がらせの数々。そしてついにその狂気は留守宅のキリカに襲い掛かった。
だがそのことが逆に僕の過去を蘇らせることとなる。
そして歪んでいく生活。キリカの存在、次作の執筆。苦悩と恐怖の日々が始まる。
いや、こわい。人の狂気が恐い。ありえへんと言えないのが恐いんだと思う。
最初の方はちょっとリズムに乗れなくて苦労したんだけど、リズムに乗りはじめると読みきってしまわないと怖くて(笑)。
ホラーだね。
心霊ものではないけれど、怖いはなしです。
竜と流木 [本 作者さ行]
とある島に棲息している両生類は成長の止まってしまった種だった。愛らしいその姿はげんちの人からも愛されている。けれどその島からその両生類が棲息できなくなる事態が発生。隣の島に移すことにしたがそこでは大量に死んでしまう。そして見かけられるようになった黒いとかげ。黒とかげに噛まれた人はショック状態に。一体何が起こりはじめたのか。
面白かった。でもすごく怖い。今この状態がすごく危うい感じがする。
手を加えればいいことも悪いことも起こるよね。私としてはすごくオススメの本です。
環境の変化って人間が起こすものもあるけれど、植物や生態系がいつまでもこのままだとも思えないし、そのうちそっぽむかれる気がする。でもそれに気が付けたらいいけど、気がつかないまま、暮らしていきそう。