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肉弾 川﨑秋子 [本 作者か行]

肉弾
なんというか、そんなに甘くない。うん。甘くないって思った。でも、こういう葛藤は悪くないし、必死になれば、或いはとは思う。

なんて感想を書くと、なんのこっちゃ?ってなると思う。
舞台は北海道。そこは楽園などではなく、追い詰められた人間や、追い出された動物の生きるための場所。生きることとは、なんて哲学的なことではなく、『生きる』為に生きていく。必死で悲しい話。
引きこもっていた主人公。それを取り巻く世界。なんというか狭い世界。そこからまばゆい光の世界に飛び出していくのよ!っていうお話とは正反対だけど、生きるということを意識して、生きていく話だと思う。
自分にそうなった理由があるように、行動を共にする犬たちにも理由があって、対峙する熊にも理由があって。全部が自分たちの理由で生きている。群れたり、離れたり。後になって真意を知ったり。もっと自分勝手でもいいんだと思う。
この本は極限でそれに思い至る。極限の数日でやっと自分を解放できたんだろうな。

面白かった。読みやすくて続きが気になって、すぐ読んでしまいました。





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