初雪

『雪の最初のひとひらをつかむことが出来れば、願いが叶うんだって。』
病院の屋上で空を見上げていた彼女。
『お婆ちゃんに聞いたの』
ポツリと淋しそうにしていた彼女はもう居ない。
ただ、舞い落ちる雪と一緒に彼女の願いが白く優しく降り積もる。

初雪ですが、吹雪いてます。
寒い。

わけ

あなたの言葉の向こうに
青い空が見えるから

あなたの声の向こうには
眩しい光が見えるから

だから私は
あなたを探して
あなたに魅かれて
あなたを追いかけるのです



明日、紙飛行機飛ばしてきま～す。

木枯らしに吹かれて

舞落ちた枯葉たちは
木枯らしに吹かれて
鬼ごっこをしているよ


ああ、次の土曜日がいいもん市なのに、何も準備できていない！
大変だ。

私はドームの中に棲んでいる

この星が丸いというのなら
空の一番高いところは自分の真上で
だから空はドームになっている
私はその丸い宝石の中で静かに棲んでいる
だって棲んでいるのが見つかれば
つまみ出されてしまうかもしれないでしょう
スノードームに棲んでいる気分


自分に何ができるのか、なんてことを悩んでみる。
考えても答えはでない。でないことが苦しいけれど、とりあえず何かに手をつけてみようかな。

秋の封筒

田舎からの手紙は
少し冷たい風とそっけない言葉だった

『季節が変わりかけています。
秋の声と風を封筒に入れて送ります』

封筒から飛び出した風は
私を一巡りして窓から飛び出した
あとから微かにヒグラシの鳴き声がした