よこまち余話 木内昇 [本 作者か行]
お屋敷裏の長屋にいる駒江はお針子をしている。静かに仕事をしているが、そこにトメさんが居座り、糸屋が御用聞きに入り、近所の浩三が入り浸る。
気持ちのよい住みかなのだ。けれど駒江は不思議な依頼を受けたりする。糸の色に凝り、姿に凝り仕上げていく。時にはそのままにしているものも。じかんの流れが違う部分がある。それが誰の性なのかはわからないが。この長屋には過去といまが混ざり合い、干渉しあっているのだ。
ああ、不思議なお話。すごく好きです。静かででも動きがあって。心がザワザワとする。オススメです。優しくて悲しくて。現実ともう一つ違う次元が重なり合ったり。それでも一つの世界なんです。
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