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小さいおうち 中島京子 [本 作者な行]





ねえやの書付。昭和初期に「ねえや」女中として働いたタキ。その思い出を年をとってから思い出してまとめていく。たまに甥の息子に「この時代はこんな浮かれていないよ」といった突っ込みを受けながら。
それでもあの頃の懐かしいを思い出をたどっていくうちに、少し心に残った棘を思い出して。
けれどその幸せな時間は戦争で断ち切られる。
ノートにつづられた思い出。それはあの家族の、あの奥様の、タキの思い出と隠さなくてはいけなかった恋ごころだった。
なんとなくわかる世界。私なんかの世代では、このタキおばあちゃんのいる時代がまだわかる。だっておばあちゃんの時代で、話によく聞いた頃だから。ねえやがいるというのも、まだわかる。懐かしくててもちょっと手の届かない思い出って感じ。うちにねえやは居なかったけどね。時代背景がわかるんだろうな。
けれどつづられた恋心はとても密やかだと思う。もしかしてって思いながら読み進める。さみしくて楽しくて。ちょっと胸がキュンとなったお話でした。

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