もう一度会いたい 小杉健治 [本 作者か行]
アルツハイマーで自分の脳細胞が壊れていく恐怖。その中で憶えているのは結婚まで約束をした女性。しかし自分はその女性を裏切った。心残りはもう一度会って謝りたいということ。
一方引きこもりだった悟史は人と接することが怖い。ある日夜中に外出した先で徘徊している老人に会った。彼は自分のことを誰かと間違っている。けれど、不思議と恐怖は無かった。悟史は彼と会って変わり始め、そして彼の願いを叶えたいと行動を起こす。
だがその女性は探し出せるのだろうか?手がかりは祭の記憶。それを探っていくうちに思いがけない真実を見つけだしていく。
いやあ、面白い。ドンドン読み進めます。アルツハイマーの悲しさとかも。記憶は残したい、けれど病は否応なく進む。主人公の悟史がドンドン外に出ていくのはちょっと違和感もあるけど、勢いがついたんだろうな。家族もこれまでとは違う在り方にあっていく。オススメです。ちょっと悲しいけど、読み終えた後はホッとします。