死体格差 西尾元 [本 作者な行]
人には死は平等に訪れる。しかし、その死にかたには格差がある。貧困、暴力、孤独、病死、自死、他殺。その中でも原因の分からないものは法医学で解剖される。
けれどその解剖される事にも格差がある。人手が足らない。すると原因は分からないままに荼毘にふされてしまう。人はどこまで行っても格差に悩まされるのだろうか。
幸せな死にかたとは?余りに間抜けな死にかたであっても、結果的にみて本人が幸せなまま死んでいくものもある。
その解剖からみた人の死にせまる。
最近は死に触れる機会が少なくなったと思う。病院で誰かに看取られながら死んでいくのはそれはそれで幸せなんだと思う。いくら環境が整っていても、誰にも看取られずに死んでいくのは悲しい。たった一人で、どんな死にかたをしたのか。それを法医学の視点から解明していく。想像と現実を折り合わせた検死なんだろうな。
平等に訪れるものだからこそ死因もはっきりするといいな。後で遺族の蟠りがなくなるように。
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